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アイランドシティについて

照葉の未来を考える!まちづくりワークショップ&UDC会議レポート

DAYS応援サポーター たての

アイランドシティは今年2025年でまちびらき20周年を迎えます。
9月13日(土)に、アイランドシティフォーラムでUDCIC主催のまちづくりワークショップが行われました。
また、同日には、アイランドシティフォーラムで一般社団法人UDCイニシアチブ主催のアーバンデザインセンター会議2025(以下、UDC会議)が開催。この会議では、全国各地のUDC(注1)のメンバーが集まり、それぞれの活動報告やUDCの組織論についての議論を繰り広げました。

アイランドシティのまちづくりや住民活動の歴史や現在の状況を知り、これからの活動のことを考える一日。
今回は、そのまちづくりワークショップとUDC会議2025の様子をレポート形式でお送りします。

注1…アーバンデザインセンターの略称。課題解決型=未来創造型のまちづくりのための公・民・学連携のプラットフォーム。照葉地区にはアイランドシティのまちづくりエリアを対象にした町づくの拠点としてUDCICが設置されています。

UDCICについて詳しくはこちら
https://fukuoka-islandcity-days.jp/udcic/

①アイランドシティの未来を考える「アイランドシティ20周年 まちづくりワークショップ」

ワークショップの前にUDCICセンター長を務める九州大学・坂井猛先生によるアイランドシティの歴史や街の将来性についての講義がありました。

坂井猛先生

二級河川が海に運ぶ土砂の対策として埋立地計画からアイランドシティが誕生したことや和白干潟に面するエリアであったため環境との調和を大切にしながら開発を行ったこと。
アイランドシティの内部でも、体験学習施設ぐりんぐりんや外周緑地“グリーンベルト”を設けることで先進的な都市でありながら水と緑を身近に感じる環境を実現したことなど、開発の成り立ちから現在に至るまでの取り組みについて説明がありました。

外周緑地“グリーンベルト”

また、2018年にアジア都市景観賞を受賞したことやUDCICを中心とする住民活動についても紹介し、「ワークショップで今後の活動について一緒に考えていきましょう」と締めくくりました。

ワークショップは「未来のアイランドシティを自由に考える」をテーマに2つのチームに分かれて話し合いました。
参加者は、照葉中学校の生徒とまちづくりに関わる仕事をしている社会人たち。アイランドシティに住む中学生たちの率直な意見を聞きながら、アイランドシティが住みやすく、より魅力的な街になるためにアイデア出しやディスカッションしていました。

両チームで共通していた意見は
・交番がほしい ・映画館がほしい ・公民館の数を増やしてほしい

今よりも安心感をもって暮らしたい、娯楽に触れられる施設や勉強に集中できる環境がほしい、という住民目線のアイデアや期待感が伝わってきました。
ワークショップの成果発表は、10/26(日)のアイランドシティ20周年式典で行います。

②まちづくりの知見を深め、これまでの取り組みを振り返るUDCICの活動紹介@UDC会議2025

第13回を迎えるUDC会議。今年度はUDCICとの共催により、アイランドシティで開催。全国各地29ヶ所のUDCのメンバーが一堂に会しました。
冒頭のあいさつでは、福岡市副市長の光山裕朗氏、UDCイニシアチブ代表理事の出口敦氏、UDCICセンター長の坂井猛氏が登壇しました。

福岡市副市長の光山裕朗氏

光山氏は「UDCICの設立を提案いただいた出口教授、坂井先生、企業の皆さまに感謝申し上げます。アイランドシティは緑豊かで子育てしやすいと評価されており、人口増加が続く福岡市においても人気のエリアとなっています。地域の課題解決にUDCICが果たしている役割は大きい。これからも、行政の枠を超えて地域づくりで連携していきたい」と述べました。

自己紹介では、会場に参加した16のUDCがそれぞれの地域や取り組んでいる活動について説明。UDCICのように特定のエリアで活動している場合もあれば、県全体を活動地域としているUDCもあることが分かりました。

UDCICの活動紹介では、活動メンバー2名が登壇。
まずは、UDCICの概要について
「UDCICは2018年に始動。当初は行政である福岡市が主導していましたが、現在は民間企業主導の組織となっています。地域連携を意識し、自治協議会や公民館とも密に連携しています。」と語りました。

つづいて、2019年から交通問題について考えるワークショップを何度も実施しオンデマンドバス「のるーと」の導入につなげた交通利用促進、地域のボランティアと連携して一人一花活動やコミュニティガーデン活動といった環境美化、Park de panやおそとシネマ、くるまシネマなどの賑わいづくりといったこれまでの取り組みについて写真や映像とともに振り返りました。
LINEでのイベント参加者の募集、アイランドシティDAYSやInstagramでの情報発信についても説明がありました。

のるーとバス写真

オンデマンドバス「のるーと」

また、「住民活動は、住民と官民学が暮らしの形を一緒に描く取り組み。
さまざまな活動を通じて、住民が活動に主体的に関わることで街への関心が生まれ、愛着や誇りが生まれることを実感しています。
現在は、世代間のギャップもあり、UDCICの存在も新しい地域に十分に届いているとは言えません。
今後は、住民が主体的にまちづくりを考える機会をつくっていきたいと考えています。」と現在の課題とこれからの活動の方向性について語りました。

最後は、パネルディスカッションとグループセッションで「UDCの組織論」について意見を交わしました。
地域ごとにミッションが違うので一口に「UDC」と言っても組織の体制は一律ではない、行政頼りではなくある程度自立することも考えていかなくてはならない、限りある人材や予算を割り振る上でミッションと照らし合わせることが重要、といったそれぞれの活動スタイルや組織体制に沿った率直な意見が聞かれました。

パネルディスカッションの様子

総括として、UDCイニシアチブ代表理事の出口敦氏が「組織論を英語に翻訳するとしたらorganaization だが、グループセッションの発表を聞いてformationと訳した方がいいのではないかと思った。
それぞれのUDCはみんな同じゴールを目指しているけど、フォーメーションや戦術が異なる。UDCの設置されている街の状態は様々なので、街のありたい姿に応じて体制を組み『地域固有の価値を高めていく、新しく加えていく』ことを意識しながら活動するといいのではないか」と述べました。

グループセッションの様子

閉会のあいさつでは、UDCICの横田貴欣氏、UDCイニシアチブ代表理事の出口敦氏が登壇。
横田氏は「本日はアイランドシティにお越しいただきありがとうございました。UDCICとしては、今後は住民主導型の公民学連携を探っていく必要があると考えています。そのためには、集まり、語り合う場をつくることが必要です。カフェのような空間を作って語り合う場をつくっていきたい。」と述べました。

10月26日(日)にはアイランドシティ20周年記念式典、11月1日(土)、2日(日)にはマルシェ、グリーンマーケットを計画中です。以降もさまざまなイベントを予定しております。
ぜひアイランドシティにお越しください。

取材後記

たての

まちづくりは、建物ができあがったら終わるのではなく、むしろそこからが始まり。そして、その時その時の課題にいかに向き合っていくかが大切なのだなと実感した一日でした。アイランドシティに住む中学生や全国のUDCメンバーといった、普段は会うことのできない皆さんのお話を聞けたことも非常に貴重な経験になりました。
10月から始まる20周年記念イベントを機に、さまざまな人がアイランドシティを訪れることを願っています。