現在のアイランドシティの人口は約1.5万人。幅広い世代の方々が、ここアイランドシティでそれぞれ暮らしています。
今回お話を伺ったのは、バイオリン奏者として活動しながらご自宅でバイオリン教室を営まれている櫻野ご夫妻です。演奏会で各地を飛び回るお二人がアイランドシティにお住まいを決めたきっかけや子育て環境に至るまで、アイランドシティでの暮らしについてお話を伺いました。
▼プロフィール
櫻野 貴史さん 福岡県直方市出身。地元から東海大学附属第五高等学校を卒業後、東京の武蔵野音楽大学に入学。大学卒業後すぐに九州へ戻り、嵐・倉木麻衣・矢沢永吉・関ジャニ∞・ASUKA・葉加瀬太郎など、各アーティストのバックストリングスにも参加。 |
小島 薫子さん 福岡県福岡市出身。福岡女学院高等学校音楽科、フェリス女学院大学音楽学部卒業。同大学大学院修士課程修了。ウィーン国立音楽大学ディプロム取得。数々の著名な指導者に師事。(公財)北九州市芸術文化振興財団 音楽アウトリーチ事業登録アーティスト。ソロ、室内楽の他、北九州グランフィルハーモニー管弦楽団バイオリン奏者としても活動している。 |
アイランドシティ ヴァイオリン教室HP ▷ https://violin-islandcity.com
「楽器相談可」物件がきっかけとなったアイランドシティへの移住
ーーお二人がアイランドシティに移住されたきっかけについてお話しください。
貴史 アイランドシティに引っ越してきたのは8~9年程前で、まだ結婚前でした。2人で照葉スパリゾートに来たときに「いい街だな」と思ったのを覚えています。ちょうどその頃、住んでいた家の契約が終わるタイミングだったこともあって、物件を探していたところ、アイランドシティに「楽器相談可」という物件を見つけたのが移住のきっかけになりました。
薫子 福岡では楽器相談可の物件って本当に少ないんです。私たちが演奏するのは弦楽器なので、ピアノに比べると音は小さめですが、それでも楽器の演奏ができる物件はほぼありません。それがたまたまアイランドシティあったので「もうここに決めないと!」と思って即決しました。もし音楽家じゃなかったら別のエリアに住んでいたかもしれないですね。
ーー薫子さんもそのタイミングでご一緒に移住されたのですか?
薫子 そうですね。最初にアイランドシティ・インフィニガーデンに2年、その後センターマークスタワーに3年弱住んで、現在の香椎照葉7丁目の戸建てには約3年前から居住しています。アイランドシティに住んでみるととても住みやすくて、気がつけばこのエリア内で3回も引っ越すくらい魅了されていますね。街が成長していく様子を感じられるのも楽しみのひとつです。
貴史 最初に照葉に来た頃は、照葉スパリゾートとツインタワー(正式名称:オーシャン&フォレストタワーレジデンス)、アイタワーくらいしかなくて、まだ更地ばかりでした。それがこの数年で商業施設や戸建てエリアがどんどん増えて、街の変化のスピードには本当に驚かされますね。
ーー現在お住まいの香椎照葉7丁目のエリアはどのような雰囲気ですか?
薫子 5丁目に住んでいた時と比べて、7丁目は自動車などの騒音がほとんどしないんですよ。照葉の中でもすごく静かなエリアですし、グリーンベルトもすぐ近くにあるので、犬の散歩をする方やランニングをする方もとても多いですね。
子育て世代にとって魅力的な環境
ーー子育て環境としてのアイランドシティはいかがでしょうか?
貴史 私たちにも5歳と4歳の2人の息子がいますが、グリーンベルトがすぐ横にあるので、遊ぶ場所として重宝しています。保育園に行く前にも少し遊ばせることができますし、毎日の散歩コースとしても最適です。道幅も広くて安心して子どもたちと過ごすことができます。
薫子 街全体に子どもが多く、習い事ができる教室も充実しているのは子育て世代にとっても嬉しいことのひとつだと思います。子どもたちがグリーンベルトで遊んだことをきっかけに親同士も仲良くなって、一緒に旅行に行くような関係になりました。旅行から帰ってきても「やっぱり家が一番いいね」と子どもたちも言うほど、家族みんながこの場所がとても気に入っています。
貴史 バイオリン教室に通う生徒さんの保護者は、「習い事のほとんどがアイランドシティ内で済むのでとても助かる」と言っていました。子どもが増えたことで、習い事の種類も年々増えているように感じますね。
ーー貴史さんは照葉はばたき小学校の校歌を作曲されたとお聞きしました。作曲時の想いやお話をぜひお聞かせください。
貴史 公民館で子育て支援の活動に参加したとき、館長さんに声をかけていただいたのが、校歌作曲のきっかけです。地元に住む音楽家として、校歌を作曲してほしいという依頼をいただいたときはとても驚きましたね。

▲照葉はばたき小学校(画像出典:ふくコミ)
作曲期間中は、毎朝子どもたちとグリーンベルトを散歩しながら小学校を眺めていました。そしてそこに通う小学生の立場になってみたり、学校生活をイメージしてみたり。私自身が子どもの頃に壁にぶつかった経験があり、それを乗り越えてほしいという思いを込めて、明るく前向きな曲になるよう心がけました。
校歌の完成後、開校式典で子どもたちの生声を初めて聞いたときは、本当に感動しましたね。歌ってくれる子どもたちがいてこそ、校歌は完成するんだと改めて実感しました。とても嬉しかったです。
音楽家として、この街で暮らすということ
ーーアイランドシティに住んでいることが、音楽活動にもいい影響をもたらしていますか?
貴史 アイランドシティに住み始めてから、気持ちの余裕というか、気分がスッキリするようになりました。景色が気持ちいい場所が多いので、暮らしていてとても心地よく感じます。演奏中の音楽的表現の幅が広りました。
薫子 私は毎日グリーンベルトを散歩することが習慣になっていて、悩みごとがあっても、そこで深呼吸をすると「また新しく頑張ろう!」と思えるんです。街中には電線がなく、ゴミもほとんどない綺麗な景色が広がっているので、視覚的にもストレスがありません。心地よく過ごせていることが、音楽活動にもいい影響を与えてくれていると思います。
ーーご自宅でされているバイオリン教室についても教えてください。
貴史 自宅でバイオリン教室を運営していて、生徒の多くはアイランドシティ内や香椎、東区の子どもたちです。生徒さん用の駐車場も確保しているので、雨の日でも通いやすい環境を整えています。
薫子 駐車場があるかないかって、習い事を連れていく身としては本当に大事なんです。コインパーキングを探すところから始まって、雨の日にそこから先生の家まで連れて行くのは本当に大変なので、駐車場があることを喜んでいただけることも多いですね。
ーーアイランドシティのおすすめスポットはありますか?
貴史 やはりグリーンベルトですね。家からすぐなので散歩に便利で、子どもたちの自転車の練習にも助かりました。また、はばたき公園もおすすめです。鳥好きの方には格別な場所で、豪華な望遠レンズ持参で写真撮影に来る方も多いですね。

▲ベジフルスタジアムの全景(画像出典:福岡大同青果株式会社)
薫子 市場なので12時までしか開いていませんが、ベジフルスタジアム(福岡市青果市場)にある花屋さんがおすすめです。新鮮で綺麗なお花がお手頃な価格で大量に買えるんですが、あまり知られていないので穴場スポットだと思います。
ーー今後のアイランドシティにどんなことを期待していますか?
貴史 これからも変わらずに明るい街であってほしいですね。照葉には福岡市立こども病院やドナルドマクドナルドハウスがあるので、病気と闘う子どもたちに演奏を届けたいと思っています。私たちが演奏することで音楽に興味を持ってもらい、地域の方々が参加できるイベントでも積極的に演奏することで、音楽あふれる街になればいいなと思います。

【編集後記】
櫻野ご夫妻のお話から、アイランドシティが単なる新しい住宅地ではなく、音楽を通じて地域とつながり、子育てをより豊かにする環境として機能していることがとてもよく伝わってきました。取材後にグリーンベルトに足を運んでみると、空の広さと緑の豊かさに心も身体も癒され、しっかりリフレッシュ!クリエイティブな活動をされているお二人にとってこの場所が特別な意味を持つのも納得です。音楽家として地域に根ざした活動を続ける櫻野ご夫妻は、アイランドシティの新しい街づくりを文化面から支える欠かせない存在となっています。